マリアージュの国、フランスのおいしい食卓

フランスで見つけたおいしいマリアージュのレシピで作って食べての覚え書き。それからフランスの主にテーブルまわりのあれこれ走り書き。

ベーコンとさくらんぼ

実はこれを作ったのは先月終わりのこと。
もう10日以上も経っているなんて!!

近くに住む夫の友人が、家の庭で採れたというさくらんぼをたくさん持ってきてくれました。
わたしが住むあたり、ノルマンディー地方の南東では、さくらんぼのシーズンは5月から6月。
同じ町でも、その友人の家の木のように5月下旬にはシーズンの終わりを迎えるものもあれば、今がまさに収穫どき、という木もある。きっと品種の違い。
友人が持ってきてくれたのは、ダークチェリーのタイプです。

甘くておいしいさくらんぼ、食べきってしまわないうちに少し取り分けて前から作ってみたかった「さくらんぼのベーコン巻き」に。
レシピは2015年に発売後大ヒットした料理本『SIMPLISSIME "LE LIVRE DE CUISINE LE + FACILE DU MONDE"』から。

この本のレシピはすべて徹底的にシンプル。
材料は塩こしょうを除いて6つまで。それぞれの材料の写真がグリッドの中に収められ、ぱっと見やすく何が必要なのかイメージしやすい。
そしてレシピの文はおよそA4横幅サイズの4分の3の長さを8行まで。

(いたってシンプル、わかりやすいレシピページ。今回作った「さくらんぼのベーコン巻き」の隣は「温かいジビエのパテ、ブルーベリー風味」)

このシンプルさがウケて、『SIMPLISSIME』シリーズは「ライト(軽めの料理)」「アペロ」「エスニック」「材料3つだけ」等々、次々にレシピ本を世に送り出し、しまいには料理に留まらずDIY、裁縫、筋トレ、はたまたギリシャ神話と幅広いジャンルを吞み込んでいる、のです。

大ヒットした "SIMPLISSIME" シリーズ。

さて本題のレシピに戻ると。
洗って水気を切ったさくらんぼを縦半分に切ったベーコンでくるりと巻く。
それを180℃に温めておいたオーブンで10分焼く。
ほんのり温かい状態で、アペロにどうぞ。
という、シンプル主義の真骨頂のような簡単レシピなのです。

ちょうど人が集まる日のアペロにこの料理を出してみたら、なかなかの好評。
間違いがない味だものね。
ある人は「前にベーコンとプルーンを合わせたものを食べたことがあったけど、こっちの方が甘味が強すぎなくていいね」とのことでした。
たしかに、そして食前酒のおつまみとしてはやはりこちらの方が合いそう。
そうそう、レシピではさくらんぼの軸と種を残していましたが、自分では種を取って楊枝を刺しました。見た目は軸のほうが可愛いんですけどね。
機能性を優先してしまうのは日本人の性。

ところで、フランスでベーコンと言うと日本で言うベーコンとは違うものが出てきます。
このウェブページに、日本で「ベーコン」と呼ばれるものと一緒に写っているのが「それ」です。
https://www.leporc.com/la-poitrine-et-le-bacon.html

「ベーコンとは何ぞや」という記述に「脂肪分はほとんどゼロ」と書いてあるのですが、それじゃあ「いわゆる日本のベーコン」とは全くの別物になりますわなあ。
上のレシピページ写真にもあるように、フランスでは「lard」の名前で出ています。