マリアージュの国、フランスのおいしい食卓

フランスで見つけたおいしいマリアージュのレシピで作って食べての覚え書き。それからフランスの主にテーブルまわりのあれこれ走り書き。

レモン、タイム、ポワロと黒鯛

だいぶお久しぶりの投稿になってしまったけれど、気を取り直して。

ELLE à TABLE ウェブサイトで特集されていた "Quels poissons choisir au printemps?" (春に選ぶ魚はどれ?)にあったレシピから、Dorade Grise を使った一皿を作ってみた。

Dorade は日本語で鯛、そこに灰色の、という意味の Grise がついた名前のこのお魚、日本名は黒鯛になるらしい。
このDorade Grise のほかに、私が住む辺りでは Dorade Royale というのをよく見かける。こちらの日本名はヨーロッパ平鯛(ヘラダイ/ヘダイ)というそうだが、どちらかというと Dorade Royale の方がやや上品なお味? お値段もこちらの方がお高い。
今回買った Dorade Grise はたしか一キロ24ユーロ前後だったかな?
私の頭の中のメモではちとお高いお魚のグループに入っている。
でも、ほどよく脂が乗った柔らかい白身のお魚は子どもも大好きで、ときどきこうして手を伸ばしてしまう。

とはいえ娘は酸味が苦手なので、レモンをたくさん使ったこのような料理にはまず口をつけない。
だから身の三分の一をあらかじめ切り落として、こちらはホイルに包んでただオーブンで焼く(そんんな訳での写真の姿)。
娘はこれにお醤油をつけていただくのだが、結局これが一番だったりして…。

それはそうと 今回のお皿。
一言で言うと、なんて爽やか! 一尾の魚に対してレモンを一個まるまる使うこの料理、塩分制限をしている人の味方にもなってくれることでしょう。

まずはポワロ(ポロネギ)の外皮を一、二枚剝いて長いまま10分ほどゆでる。
これは後で魚を巻く時に使う。

残りのポワロは細かく切って、みじん切りのにんにく、レモン半個分の果汁と皮のすりおろし、生のタイムと共にオリーブオイルで炒める。
ポワロが柔らかくなったら、塩・こしょう。ここで! 私は誤ってこのステップを飛ばしてしまった。のですが。その後については後述。

炒めたポワロを内臓を取り除いた黒鯛の腹に詰めたら、魚にたすきを掛けるように先ほどのゆでたポワロの外皮で巻く。
魚の表面にオリーブオイルを塗り、レモン半個分の輪切りを乗せ、200℃のオーブンで30分ほど焼く。

盛り付けに生のタイムを飾って、できあがり。

私はうっかりポワロの詰め物に塩・こしょうをするのを忘れてしまったのだが、食べてみれば全然物足りなくない! これもレモンとにんにくのおかげ?
今度またこの料理を作るときも、塩・こしょうは飛ばして後でお好みでかけても良いのかな、と思う。
黒鯛とポワロのほのかな甘味とレモンの酸味、それににんにくとタイムの香味が絶妙に混じりあってお味はとても軽やか。これはよく晴れた日に、屋外のテーブルで食してみたいなあ。

ごちそうさまでした。