マリアージュの国、フランスのおいしい食卓

フランスで見つけたおいしいマリアージュのレシピで作って食べての覚え書き。それからフランスの主にテーブルまわりのあれこれ走り書き。

フランス風豆腐の田楽、にんじん、くるみ

 世界の他の国々同様、フランスでもかなり市民権を得ている「TOFU」。
 わたしが住んでいる小さな町の辺りでお豆腐が手に入るところと言えば、まず寿司スタンドがあるような大きめのスーパー。紙パック入りのお豆腐(しかも大抵は日本製、もしくは日本製でなくても日本の会社の製品)が置いてあります。
 それからオーガニック系のお店。日本のお豆腐と比べるとかなり硬めか、かなり柔らかめのものになりますが、フランスでお豆腐を広めてくれた立役者的な存在です。
 そしてもう一つは、アジア系の食料品店。ありがたいことに自宅から車で10分とかからない場所に一軒あり、しかもここに置いてあるお豆腐がとても使えるんです。というわけで、今回も使ったのはこちらのお豆腐。

(これとは別に絹ごし豆腐もあって、そちらのパッケージには「日式」という文字が)

 フランスにある中国系の会社が製造しているこのお豆腐、日本の木綿豆腐よりほんの少し硬いけれど、ほぼそっくりそのまま。とても重宝しています。

 さてこのお豆腐に今回合わせたのがにんじんとくるみです。雑誌「ELLE à table」のニュースレターに載っていたレシピを試してみました。
 にんじんは皮をむき、半分の長さに切ってから長方形の薄切りに。塩と砂糖の味付けで黄金色(doré)の照りが出るまで蒸し焼きにします。豆腐は1.5cm程度の厚さの長方形に切ってからキッチンペーパーにくるんでおく(わたしは手ぬぐいで)。くるみ少々は細かく砕いて乾煎り。
 ソースは白みそ、白ワイン、砂糖で作ります。白ワイン(レシピではミュスカと指定があったけれど、家にあった料理用白ワインで代用。料理用といってもワインの他に何も入っていないもの)100mlを半量になるまで煮詰め、そこに白みそ100gと砂糖大さじ1、水大さじ2を加えます。
 軽く水切りした状態のお豆腐の両面を油を引いたフライパンでこんがり焼いたら、お皿に蒸し焼きしたにんじんを敷き、その上にお豆腐を乗せます。ソースをかけてくるみを散らし、ベビーリーフ適量を飾ったらできあがり。わたしはベビーリーフを少々乗せすぎてしまった感… お豆腐がほとんど見えませんね。

 レシピを見た時、すぐに「これ、田楽みたい」と思ったのですが、まさにお味もフランス風豆腐の田楽。個人的にはソースの甘みをもう少し減らしても良いかな? お豆腐の柔らかい食感とにんじんの軽い歯ごたえ、そして時おり香ばしいくるみが食感のアクセントになってとても楽しい。そういえば日本にはくるみ味噌というのもありますね。ここでも日本の味覚とつながりました。