マリアージュの国、フランスのおいしい食卓

フランスで見つけたおいしいマリアージュのレシピで作って食べての覚え書き。それからフランスの主にテーブルまわりのあれこれ走り書き。

パリのお料理教室。チーズのいろいろマリアージュ

先週末、パリ1区にあるフロマージュリーヒサダで催されたお料理教室へ。
講師は臼居芳美先生。かつてこちらのお店でコロナ禍前まで販売されていたおせち料理を担当されていた先生です(復活希望!)。

フランスに暮らす日本人ならきっと一度は名前を聞いたことがあるのではないかというこのお店。
わたしは今回が初めての来店でしたが、先日たまたまYouTubeで杏さんがこちらのお店で撮影した動画を見たところだったので、とてもワクワクしていました。
(動画はこちら→ https://youtu.be/9L4WinHEBR0

(左がほうじ茶、右がゴマ)
(古酒でウォッシュしたマロワ―ル)

お店の中はフランスや近隣の国で生産された伝統的なチーズの他に、柚子や桜、抹茶などをあしらったチーズなど、日本人経営のフロマージュリーらしく和のテイストが効いたオリジナルチーズも。
わたしは迷いに迷った結果、古酒でウォッシュしたマロワ―ル、ウィスキー風味のブルー、そしてほうじ茶とゴマそれぞれでくるまれた牛のフレッシュチーズを購入しました。あ、それからチーズではないけれど新鮮な酒粕も!

さてお料理教室です。
今回はグジェール、チキンのチーズピカタでたたむおにぎり、そしてカッサータというメニュー。さらにその後にはこれまたチーズを使ったサプライズも。

グジェールは小さなチーズ風味のシュー(一番上の写真)。
アペロやレストランで初めに出されるアミューズ・ブーシュとしていただいたことはあっても、これがブルゴーニュ地方の名物だったということは今回初めて知りました。
たしかにいかにもワインに合いそう。

今回のレシピで生地に使ったチーズはコンテ。
フランスにある村の数だけあると言われるチーズの中でも、クセが強くなくて万人受けするのではないかなと思うハードチーズです。

このシュー生地に挟んだのがフレッシュシェーブルとスモークサーモンのクリーム。
実はわたしはシェーブルが苦手で、シェーブルと聞いた時ちょっと体がこわばったのですが、このフレッシュは全然違う!
シェーブル独特のモッタリした食感がなくて匂いもほぼ無し、ほどよい酸味が効いてとても美味しい。
先生に「クリームの他にちょこっと野菜やハーブを乗せるだけでとても見栄えがしますよ」と教えていただきましたが、おにぎり用の余ったパプリカを薄く切って乗せたら本当にぐっと華やかになりました。

(「おにぎらず」ならぬ、「たたむおにぎり」)

お次はペコリーノ・ロマーノを混ぜた卵液で焼くチキンのチーズピカタ。
これを「たたむおにぎり」に挟みます。
これは「おにぎらず」の折りたたみ版。「たたむおにぎり」の場合は、具とごはんの間にも海苔が挟まるようになるしかけです。

これは是非小学生の子どもに作ってあげたい! と思いました。
野菜嫌いなのですがこれならどさくさに紛れて食べてくれそうかな… フフフ。

そしてデザートのカッサータ。リコッタチーズを使ったシチリアのお菓子ですよね。
先生自ら一ヶ月の間漬け込んだドライフルーツのラム酒漬と、気持ち大きめに刻んだナッツを入れて冷凍庫で冷やし固めたものを切り分けていただきました。

そしてここに抹茶みつをかけるのが先生のおすすめ!
今回はわざわざ「銀座に志かわ」の「生抹茶みつ」をお持ちくださいました。
これが不思議にもとても良く合うんですね。
抹茶みつの淡い苦みが、カッサータのやわらかな酸味と甘みにとても良く合うんです。
まさに… マリアージュ

さて、最後の最後でまたすごいマリアージュのサプライズがありました。
それは「先生の自家製干し柿のフレッシュシェーブル詰め」、そしてアシスタントさんの「チーズをあしらった花型変わりおはぎ」!

(そういえば干し柿だってドライフルーツ。フレッシュシェーブルと合うわけです)
(白あんの花びらの下には、赤米の鮮やかな紫色が)

おはぎにはこれまたわたしが苦手とする羊のチーズが白あん、そして蒸した赤米に混ざっていたのですが、とても細かく刻まれていたのと、他の食材との味のバランスが絶妙だったためにとても美味しくいただけました。

今回のお料理教室にはチーズとのマリアージュが盛り沢山でしたが、最後の締めに?、今が季節のモンドール、しかもトリュフ入りのをいただいてお料理教室は終了になりました。


さてさて、パリまで一人で車を運転するのは夏にPCR検査の結果を取りに行った時に続いて二回目。
助手席の夫にああだこうだと言われながら運転するのもストレスだけれど、こうして一人で運転するのもまた緊張。
それでも無事ノルマンディーの家に帰宅いたしました。めでたしめでたし。