昭和の子どもだったわたしにとって、ケーキ屋さんに行けば必ず目にしたのは
いちごのショートケーキ(メロンが乗ったのもよくあったっけ)にチョコケーキ、
それからチーズケーキにモンブラン、だったろうか。
そのモンブランも、糸状にぐるぐる巻かれたマロンクリームは茶色というより黄色に近い黄土色。
その上に栗の甘露煮のような、つるんと甘い栗が一粒乗っている。
こんな感じの ↓ 。アルミホイルのカップに入っていたらさらにノスタルジック度上昇。
どうしてモンブランって名前なのかな、と不思議に思いつつ、なんとなくその佇まいによく似合う名前な気がしたので、子ども心にそれで納得していました(笑)。
大きくなってからそれがヨーロッパのアルプスにある山 " Monc blanc " から取ったものであり、またその名前は「白い山」を意味する意味すると知り、なるほどー!と思うと同時に、
でも、ケーキのモンブランは白くないな…
とも思いましたが、それもまた中に白いクリームが入っているからだろう、ということで一人納得しておりました。
時代が変わるにつれて、そして自分が大人になっていくにつれて、黄土色ではない、栗の皮の茶色を思わせるマロンクリームを称えたモンブラン、かつ、雪のように白い粉砂糖を身にまとった「本格的っぽい」モンブランを目にする機会が増えました。
…と、モンブランの思い出話が長くなりましたが、今日書きたいのはもう一つのモンブランのこと。
先日、結婚記念日の日に町のレストランへ。
セットメニューのデザートの中からモンブランを選んだのですが、目の前に登場したのは真っ白なモンブランでした。
それは粉砂糖をたくさんかけたゆえの白いお山ではなく、茶色いところが全くない、
真っ白なモンブラン。
驚くわたしに「そういうモンブランもあるんだよ」と夫。
聞けばそれは、カリブ風のモンブランなのでした。
たしかにそのレストランのメニューを思い返すと、どこかカリブ風の料理の名前もちらほらありましたっけ。
わたしがいただいたものはメレンゲに隠れて目立ちませんが、
本来のカリブ風モンブランが身にまとうのは、ココナッツ。
ケーキの中に入れるクリームにも、ココナッツ。
さすがカリブ!
さらにはラム酒もきかせます。
カリブ海に浮かぶ西インド諸島にはかつてのフランスの植民地で現・海外県のマルティニークがあります。
そんな縁があるので、フランスではカリブ風の料理やお菓子、そしてお酒をよく見かけます。
フランスに暮らすようになるまで、こんなにフランスの日常に溶けこんでいるとは知らなかったことです。
ここでもまた一つ、マリアージュがありました。