マリアージュの国、フランスのおいしい食卓

フランスで見つけたおいしいマリアージュのレシピで作って食べての覚え書き。それからフランスの主にテーブルまわりのあれこれ走り書き。

ポロネギ、コック貝と和風だし

日本でもおなじみの女性誌「ELLE」。
フランスでは毎号、巻末に切り取り可能な4枚のレシピカードがついてきますが、今週号のテーマは「ポロネギ」。日本の長ネギよりも太めで辛味の弱いネギの一種で、存在感は長ネギ同様、主役になることはあまりないけれどいないと困る名わき役、という感じでしょうか。

今回はこのポロネギレシピから"RISONI AUX POIREAUX ET AUX COQUES"を作ってみました。
"RISONI"は形がインディカ米に似たパスタです。だから「ポロネギとコック貝のリゾーニパスタ」という具合になるのでしょうが、なんとこのリゾーニがお店で見当たらず。
以前近所のスーパーで買ったことがあるので余裕でいたら、2軒回って見つからなかったのでここで頭を切り替えて代用で済ますことに。何かほかの小さめパスタにしようかとも思いましたが、もしかして大好きなデュラム小麦が合うのでは… と思いついてからはパスタ案を即却下しました。

このデュラム小麦、わたし同様パスタのCMか何かで「デュラム小麦のセモリナ」という言葉のセットで覚えている方も多いのではと思うのですが、主にパスタの原料になる小麦なのですね。
このデュラム小麦、フランスでは"Blé dur"(硬い小麦)とも呼ばれていて、わたしはこちらの名前でこの小麦を知っていました。そして今回、"Blé dur"=デュラム小麦と知って、また一つ勉強になりました。もひとつおまけに、デュラムという言葉が「硬い」という意味のラテン語であることも知りました。

デュラム小麦はパスタの原料になるほかに、乾燥させたものを茹でてそのままいただいたり、ほかの食材と合わせてピラフ風にすることもあります。今回のレシピはピラフ風ですね。
沸騰したお湯に入れて10分でアルデンテの硬さになるので、時間がかからないのも魅力です。

(500gで8人分、日持ちして値段も手ごろ(2€以下)なデュラム小麦。雑穀やレンズ豆と合わせたものも売られています)

さて肝心のお料理の方はというと、コック貝は塩水に浸けて砂抜きをしておく。ポロネギはオリーブオイルで炒めて最後にバターで香りづけ。デュラム小麦、エシャロットの順にオリーブオイルで炒めたらそこに"dashi"をひたひたになる程度に少しずつ投入… はい、「だし」の登場です!
フランスの方々みんながいわゆる和風の「だし」の何たるかを知ってはいないでしょうが、既になかなかその名が知られているということが窺えます。ちなみに、レシピには(または野菜のブイヨン)と注釈がありました。
だしがもう少しでなくなる、という頃まで煮たら先のコック貝とポロネギを混ぜ入れます。
刻んだパセリとこしょうを加え、5分くらい加熱したらできあがりです。

お味はなんだかほっとするなじみ深い味。何といっても和風だしにネギと貝ですから、それも当然でしょう。コック貝はあさりに似た風味と言えるでしょうか。少し幅広に切ったポロネギがまとったバターの風味が、やさしい和洋折衷の味に仕上げています。

ごちそうさまでした。

ところで…「ELLE」に掲載されていたこのレシピ以外の3つは、
「シェーブルチーズ入りポロネギのカネロニ
「ポロネギのソテー タイカレー風味」
「ポロネギとパルメザンチーズクリームのタルトタタン
でした。