昨夜はご近所に住む中国人のお友達のお宅へお呼ばれ。
中国料理をお店で食べたことはあっても、また中国料理らしきものを自宅で作ったことはあっても、中国人が家庭で作る中国料理を食べたことはなかったのでとても楽しみだった。
おまけに大好きな餃子を作ってくれるというではないですか。
そのお友達は中国の北部、小麦粉を使った料理をよく食べる地方の出身なのです。
お宅に到着すると、彼女は餃子の餡を作り終えたところ。
中には味噌を入れているのだそう。
味噌を入れるんだ…!
わたし自身は餃子の餡に味噌を入れたことが無かったので、やたらとエキゾチックに感じて興奮してくる。
日本でも餃子の餡に味噌を加えることはさほど珍しいことではないのにね。
さて、「餡にどの野菜を入れる?」と彼女。
彼女が指す指の先にはブロッコリーとセロリの姿が。
お、なんだか意外! 西洋野菜、しかも姿かたちからなんとなく中に入れにくそうなブロッコリー、そして香りの強いセロリとは。
「何でも好きな野菜を入れていいんだよ~」と言う彼女に、じゃあ、とセロリをお願いする。
最近、NHK WORLDの料理番組『Rika's TOKYO CUISINE』で見たセロリと鶏ひき肉の、ごく簡単なのにとても滋味深いスープを作ってあらためてセロリに惚れ直したところだったので。
ちなみに、そのスープの正確なレシピを確認したくて番組サイトのレシピページを訪問したのだけれど見つからず。
うろ覚えのレシピでは、薄切りにしたセロリの茎と葉をごま油で炒め、そこに鶏ひき肉を入れて炒め合わせ、水を加える。顆粒チキンスープの素、酒、酢、しょうゆを加えたらできあがり。というもの。
酢を入れてコクを出すのが味の秘訣、とRikaさんがおっしゃっていたのを覚えている。
さて、餃子。
皮は小麦粉と水で作る。
中国の小麦粉とフランスの小麦粉は香りが違うのよ、と彼女は残念そうな顔をしていたけれど、たしかに日本の小麦粉とフランスの小麦粉も香りや味が変わってくるものね。
品種の違いもあるだろうけどその国の、その地方の湿度なんかも関係するんじゃないかな、とは夫の弁。
友達が小さくちぎった皮の記事を薄く伸ばして、わたしと夫が餡を詰めていく。
わたしは市販品の生の餃子の皮を使ったことはあるけれど、生地から作った生の皮に餡を詰めるのは初めてで、そのにゅっと皮が伸びる感じが触っていてとても楽しかった。
これは是非子どもにもやらせてみたい。
夫は餃子の皮に餡を詰めて形を整える作業が初めてで、皮から餡がはみ出ていたりしたけれど、これはこれで可愛らしい。
みんな違って、みんないい。餃子も同じというわけだね。
友達が餃子の一つを小籠包風の形にしてくれた。
おお、という歓声。
こんな風にわいわいやりながらお料理するのは楽しいな。
そうそう、なるほど、と思ったのがすまきに餡を詰めた餃子を巻きすの上に並べていたこと。
そうか、これなら餃子がつきにくい。
さて、形を整えた餃子の半分は茹でて水餃子に、もう半分は焼き餃子に。
餡にしっかり味がついているので、たれをつけなくてもちょうどいいお味。
驚いたのは、ド偏食で野菜はもちろん大の苦手のわが8歳の娘がペロリと食べていたこと。
セロリを入れたからどうかなと思っていたのだけれど。
でもあえて何も言わないで食べさせてみたところ、パクパクと食べているではありませんか。
心の中で、ヤッター!と叫ぶわたし。
セロリは細かく刻んであったし、味噌の風味も手伝って食べやすくなっていたのかな。
それに何と言っても、大好きな餃子だから食べようという意欲が違う。
友達は餃子に加えて、鶏のしょうゆ煮?、ブロッコリーのオイスターソース炒め、豆腐ときのこのスープを用意していてくれたのだが、そのどれからもものすごい熱量が伝わってくる。
湯気がもくもくと立ち上る大皿をテーブルに運びながら、あらためてわたしは中国料理は火の料理なんだな、と思っていた。
パワー、勢い、潔さ。
自分が持つ中国のイメージにもつながったりして。
料理っておもしろいな。